同じ間違いを繰り返す人の特徴
同じ間違いを繰り返す人には、多くの場合「根本的な考え方の誤り」がある。さらに深く言えば、その背景には精神的な未熟さや、性格的な弱点が横たわっていることが少なくない。自分の欠点を直視できず、反省を避け、あるいは客観的に自分を分析する力が弱いために、同じ過ちを繰り返してしまうのである。以下では、その典型的な学習の姿勢をいくつか挙げる。
① ミスの原因を深掘りせず、具体的な改善策を考えない
まず、失点を分析する姿勢が圧倒的に不足している。間違えた原因は「知識不足」「注意不足」「思い込み」などに分類でき、さらにその奥には「そもそもなぜその過ちを犯したのか」という原因の原因がある。そこまで掘り下げれば、必然的に「次はこうしよう」という改善策につながるはずだ。しかし彼らの口からは、決まって「ケアレスミス」という言葉が出てくる。まるで合言葉のようにそれで済ませてしまうのだ。この言葉の裏には「あくまでただのミスだから問題ない、僕は悪くない」という幼稚な思考が見え隠れしているが、これは「自分は何も考えていません」と公言しているのと同じである。嫌な作業を避ける幼稚な精神性が、ミスの真因を突き止める作業から逃げさせ、同じ失敗を繰り返させている。
人間は失敗しそこから学習することで成長する生き物だが、そもそも過ちを過ちとして認識しないのだから同じことを繰り返すのは必然である。「失点→失点原因の分析→改善法の考案→実行」このサイクルを正しく行わなければ、同じところで同じ間違いを繰り返す人間の誕生である。
② 復習が甘い、あるいは復習自体をしない
復習は学習の要であるにもかかわらず、一度やった問題や理解した内容を何度も繰り返さない受験生は多い。テスト直後に「もう理解したつもり」になり、時間を置けば再び同じ問題でつまずく。復習をしないのは「自分の弱さを直視したくない」という心理から来ている場合や「普通にめんどくさい」という気持ちから生まれることが多い。
だが、復習に向き合わずして実力の定着はあり得ない。本番で確固たる実力として自己を支えるのは、何度も復習して得た知識であることを自覚しよう。
③ 解き直しに工夫がない
解き直しをしていても「ただもう一度解くだけ」では意味がない。間違えた理由を整理せず、同じやり方で再挑戦しても理解は深まらない。正しい方法は、間違えたときの自分の思考の流れを振り返り、「どこで誤ったのか」「どの知識が足りなかったのか」を明確にすることだ。この明確化する作業は非常に学習効率の高い勉強である。なぜなら、この明確化は「問題の理解」と「自身の理解不足への理解」を同時に達成しなければ不可能であり、特に後者の自己理解は精神性の成長にもつながる。一方で工夫なき解き直しは、単なる作業の繰り返しにすぎず、学習の効率を著しく下げる。
※もちろん、解き直しすらしていなかったり、答えを丸写したことを解き直しということにしているような、あまりにも次元が低い受験生の話はしてない。
④ 焦って解答する癖を改めようとしない
焦りによる失点は受験生にとって典型的な課題だが、これを「時間内にすべて解き切ろうとしただけだからしょうがない」「焦って間違えちゃっただけだから、焦らなければできたし…」と正当化してしまう人がいる。限られた時間の中で、解ける問題に集中しベストな点数を取るというのが大学受験という試験の原則であり、本番の緊張感の中で焦りを抑え点を取ることは、大学受験という勝負の肝である。しかし、焦りによるミスは克服しなければいけない自己の弱さであるにも関わらず、あまつさえそれを正当化しているのだからもうどうしようもない。もちろんこれは明らかに悪癖であり同時に改善可能な問題であるが、そのことを自覚すらしていないので、反省のしようもなく本番の試験でくだらない失点を繰り返し、「あの時焦ってケアレスミスしなければ~」という言い訳で精神を保つのだろう。
解法の手順を整理し、時間配分を意識し、冷静に問題へ向き合う習慣を身につければ、焦りによる失点は大幅に減らせる。失敗を外部要因に転嫁する限り、同じミスを繰り返すことになる。
⑤ 成功体験ばかりを振り返る
「学校でやった共テの試験は〇割だった~」、「家でやったときは〇割で~」などがこの手の人種の口癖である。たしかに人は誰しも成功の記憶を心の支えにしたいものだ。しかし、過去の成功ばかりを反芻し、失敗から目を背ける姿勢は成長を妨げる。試験において重要なのは「なぜ間違えたのか」を突き止め、同じ失敗を二度と繰り返さないことである。成功は心を支える材料であっても、学力を伸ばす材料にはならない。真に伸びる受験生は、成功ではなく失敗の中に成長の芽を見出すのである。